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【全文】判決は「法令解釈誤り」 代執行訴訟 県、上告理由書提出


【全文】判決は「法令解釈誤り」 代執行訴訟 県、上告理由書提出 沖縄県庁
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 名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請承認を巡る代執行訴訟で、県は19日、上告受理申立理由書を最高裁に提出した。県に承認を命じた昨年12月20日の福岡高裁那覇支部判決が、国の請求通り認めた代執行の3要件の該当性について反論。判決は「(要件を定めた)地方自治法245条の8の法令解釈を誤ったものだ」と批判した。

 高裁判決は、県が承認しないことによる法令違反などの要件について、国土交通相が県に承認するよう求めた是正の指示を巡る訴訟の最高裁判決(昨年9月4日)を基に県の法令違反を認定した。

 理由書で県は、最高裁判決が公有水面埋立法の関係規定の法令違反を判断していないと指摘。高裁は、関係規定違反を改めて審理せずに県の法令違反を認定したとし、「法令違反の要件の解釈を誤っている」と強調した。

 代執行以外の方法で是正が困難との要件では、県が国に求める対話がその方法に当たらないと判示されたことについて、地方自治法の趣旨解釈などから「排斥する解釈はできない」と主張した。

 県が承認しないために公益が侵害されるとの要件については、地方公共団体や住民の公益、民意も総合的に考慮すべきだとし、判決の法令解釈の「重大な誤り」を訴えた。

 県は高裁判決の承認命令に従わず、国交相が昨年12月28日、県に代わって承認。県が最高裁で逆転勝訴しない限り、工事は止まらない。