天願浩也氏(31)が当選無効の取り消しを求めた訴訟は、訴えを棄却した高裁判決が確定した。天願氏は議員の職を失い、次点で落選していた伊礼正氏(70)が当選することになる。天願氏は「納得はいっていない。悔しい」と話し、伊礼氏は「人生を左右された。責務を認識してほしい」と市選管に要望した。
天願氏は自分の名前に似た票も含めた再開票を求めてきたが、かなわなかった。「票を開いて納得したかった。もやもやが残る」と気持ちが晴れない様子だ。裁判をしながらの議員活動を「いつ終わるか分からない中で政策の組み立てもできなかった」と振り返る。
伊礼氏は「結果を真摯(しんし)に受け取る」と冷静に受け止めた。
市選管の比嘉弘之委員長は「混乱を生じさせたことを深くおわび申し上げる。このようなことが二度と起こらないようこれまで以上に気を引き締め、円滑な選挙事務の遂行に取り組む」とした。
県選管の当山尚幸委員長は「一票の重みを常に意識し、今後とも市町村選挙管理委員会の支援を含め、選挙の適正な管理執行に努めたい」とした。
(金盛文香)