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名護市長、首相官邸で官房長官に「直接協議できる場」を要望 辺野古大浦湾側工事


名護市長、首相官邸で官房長官に「直接協議できる場」を要望 辺野古大浦湾側工事 林官房長官との面会後、取材に応じる名護市の渡具知武豊市長=9日午後、首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 【東京】沖縄県名護市の渡具知武豊市長は9日、首相官邸で林芳正官房長官と面会し、普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で大浦湾側の工事が始まったことを受け、政府と名護市との協議体の設置を求めた。要請後、渡具知市長は記者団に「地元久辺3区、市民の不安払拭を図りたい」と述べた。一方、辺野古移設への賛否については「移設が進むことを前提にすることが移設の容認ということではない」とした。

 渡具知市長が林氏に提出した「米軍基地に由来する諸問題の解決」の要請書は、大浦湾側工事が本格化する中、米軍キャンプ・シュワブでの騒音や交通渋滞などの問題について「政府と直接協議できる場」の設置を求めた。

 林氏からは「前向きに検討する」との回答があったという。参加者などの枠組みは今後調整を進めるとしている。発足時期について「できるだけ早く始めて市民の不安の払拭に応えていきたい」と述べた。

 渡具知市長は、大浦湾側の工事着工から10日で1カ月となることについて「これまで一連の流れで工事が進んできたものだというふうに思っている」と述べた。移設への賛否は明言を避けた一方、「原因が基地であるか否かに関わらず、市長の私がなすべきことは、市民の不安払拭、生活環境を守るための手段を講じることだ」と強調した。

 (安里洋輔)