米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に向け、沖縄防衛局が進めようとする大浦湾からのサンゴ類移植を巡り、県に移植を許可するよう農相が是正指示したのは違法だとして県が取り消しを求めた訴訟で、県は22日、県の訴えを退けた福岡高裁那覇支部の判決を不服として、最高裁に上告受理を申し立てた。
同支部が15日に出した判決は、農相の指示について「適法かつ有効である」と示した。これに対し玉城デニー知事は「裁決の存在を理由として是正の指示を適法とした不当なものだ」と反発していた。
サンゴ移植を巡って防衛局は22年7月、サンゴ類約8万4千群体の特別採捕許可を県に申請。県は同年9月、防衛局が変更申請の承認を得ておらず、移植の必要性が認められないとして不許可とした。農相は同年12月に不許可処分を取り消し、23年3月、県に許可を指示した。
県は国地方係争処理委員会に審査を申し出たが退けられ、同年8月に提訴した。