有料

代執行訴訟 県敗訴確定 最高裁、上告不受理 辺野古設計変更 審理開かず 知事「門前払い、残念」


代執行訴訟 県敗訴確定 最高裁、上告不受理 辺野古設計変更 審理開かず 知事「門前払い、残念」 辺野古代執行訴訟の敗訴が確定したことを受け、記者団の質問に答える玉城デニー知事(右)=1日午後7時13分、県議会(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事に向けた設計変更申請の承認を巡り、斉藤鉄夫国土交通相が玉城デニー知事に代わって承認するために提起した代執行訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は県の上告受理申し立てを受理しない決定をした。代執行訴訟で県の敗訴が確定した。決定は2月29日付。沖縄防衛局がことし1月に着手した大浦湾側の埋め立て工事を止めるためには、最高裁で県が逆転勝訴する必要があった。

 国が事務を自治体に委ねている「法定受託事務」について、地方自治法に基づく代執行が行われたのは史上初めてだったが、最高裁は審理を開かずに上告を不受理とした。県側の代理人によると、不受理の決定には不受理の詳細な理由などは記されていないという。

 不受理について玉城知事は、地方自治の本旨や県民の苦難の歴史と民意を踏まえ、最高裁には法の番人としての正当な判決を期待していたとして「司法が何らの具体的判断も示さずに門前払いをしたことは、極めて残念だ」と話した。

 「多くの県民の付託を受けた知事として、新基地建設に反対する立場は変わらない」として、今後も国に対して対話による解決を求め続けていくとした。難工事とされる大浦湾側の工事は、今後も設計変更申請が出されることが想定されるとして「公有水面埋立法にのっとって真摯(しんし)に審査を続けていきたい」と話した。

 昨年12月20日の福岡高裁那覇支部判決は、公益侵害など代執行の3要件の該当性についていずれも国の主張を認めた。県は判決を不服として最高裁へ上告していた。

 (沖田有吾まとめ)