大浦湾側の地盤改良を巡っては、工事に従事する作業船が最大で1日当たり100隻程度の稼働が見込まれていることが明らかになっている。
作業船とは別に、警備船なども航行する見込みで、実際の隻数はさらに増える可能性がある。大浦湾の施工区域では異例の高密度で工事関連船舶が展開することになる。
土木技師で沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は、施工区域中央には汚濁防止膜が張り巡らされ、資材の運搬で海域を出入りする船もあり、航路も制限されると指摘。「施工区域に同時に100隻が展開するのは不可能としか思えない。(政府が工期として見込む)9年3カ月は、さらに遅れるのは確実だ」と問題視した。
大量の船が航行することは、ジュゴンやウミガメなど希少動物と船舶の接触が高まることにもつながる。
防衛省は、希少動物が頻繁に確認される区域をできるだけ避けるほか、見張りの励行、衝突が避けられる速度での航行を行うとしている。
(知念征尚)