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沖縄県、内部統制の強化に「大幅遅れ」 国庫補助の申請漏れなど3件 行政改革23年度進ちょく


沖縄県、内部統制の強化に「大幅遅れ」 国庫補助の申請漏れなど3件 行政改革23年度進ちょく 県行財政改革推進本部の会議に臨む県幹部ら=24日、県庁
この記事を書いた人 アバター画像 沖田 有吾

 2024年度第1回県行財政改革推進本部が24日に開かれ、行政運営の質の向上を目的に23年3月に策定された「新沖縄行政プログラム」の23年度の推進状況が示された。29の実施項目それぞれに成果指標を設定し、目標に対する実績が90%以上を目安とする「順調」が23件で全体の約8割を占め、取り組みは「総じて順調」と判断された。一方でおおむね60%未満の「大幅遅れ」が3件、60%以上90%未満の「やや遅れ」が3件あった。

 大幅遅れとなったのは、「内部統制機能の強化」「特別会計事業の適正な運営」「県立病院の経営強化」の3項目。

 「内部統制」では、この項目の評価対象となる22年度に、国庫補助の申請漏れや、県議会の同意を得ずに新型コロナの抗原検査キットの大量購入や沖縄都市モノレールの債権を放棄した3件の重大な不備があった。「特別会計」については、2つの港湾特会で赤字状態となった。

 県立病院」は、新型コロナ対応の補助金交付が23年度の途中で終わったことなどで収支が目標値に及ばなかったという。

  やや遅れは、「県税収入の確保」など。新型コロナ協力金などの需給で一時的に課税額が増した人について、課税時には支払いが厳しくなったことなどで県税の未済額が目標よりも多くなった。

 特別会計の成果指標は、現行の「実質収支が黒字の比率」で形式的なものとなっているという指摘を受けたことから見直す。管理対象の15の特会のうち、一つを除いて成果指標が設定されていないため、各特会ごとに成果指標を設定する比率に変更する。26年度に全ての特会で成果指標を設定することを目標とした。

  (沖田有吾)