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【記者解説】超短期決戦の衆院選、地位協定の議論に期待 辺野古賛否が争点に


【記者解説】超短期決戦の衆院選、地位協定の議論に期待 辺野古賛否が争点に

 国会議事堂

この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 衆議院が解散し、15日公示、27日投開票の衆院選に向けて事実上の選挙戦に突入した。ただ、国民に判断材料が十分に提供されているとは到底言えない。特に石破茂首相が自民党総裁選の際に明言した日米地位協定の改定は、沖縄では県民の保革を超えた「悲願」とも言えるが、具体的な方向性は示されないままだ。

 全国的には自民派閥裏金事件に端を発した「政治とカネ」の問題への対応、物価高対策、経済振興策、選択的夫婦別姓制度などが争点になるとみられ、各党・候補者の政治スタンスが注目される。県内ではこれらに加えて米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に対する賛否や地位協定改定などが大きな争点となるとみられる。

 ただ、石破氏は衆院代表質問で、地位協定改定やアジア版NATOについて「一朝一夕で実現するとは考えていない」と早期実施は難しいとの認識を示し、所信表明演説でも触れなかった。

 確かに、短期間で実現できるほど簡単な問題ではないだろう。一方、県民にとっては保革を超えてこれまで何度も抜本的な改定を求めてきたにもかかわらず、全国的な関心の対象になることはほとんどなかった重要な問題だ。各党・候補者は国政選挙の争点となりうる今回の機会を逃さず、少なくとも地位協定に対する現状認識や改定の是非、改定する場合の条文案など、できる限りの論議に期待したい。

 超短期決戦と言われる中、県内の4選挙区では過去2番目に多い17人が立候補を予定している。各政党や候補者には、従来の選挙よりもさらに細やかな政策の説明、発信が求められる。

 (沖田有吾)