有料

どこに、誰と逃げる? 沖縄戦のガマ避難を追体験 児童ら「生き残る難しさ」実感 読谷


どこに、誰と逃げる? 沖縄戦のガマ避難を追体験 児童ら「生き残る難しさ」実感 読谷 チビチリガマと「世代を結ぶ平和の像」=読谷村波平(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 【読谷】平和を希求する「沖縄のこころ」を世界に発信するために創設された「沖縄平和賞」事業の一環で、小学生を対象にした参加型学習会が1日、読谷村立古堅南小学校であった。「うなぁ沖縄」の狩俣英美さんが進行役を務め、児童は沖縄戦時に地元読谷村であった「集団自決」(強制集団死)などの歴史を学んだ。

 会場では読谷村の住民たちが沖縄戦で「集団自決」に至った「チビチリガマ」と、人々が米軍に投降して命をつないだ「シムクガマ」の実例を基に、生徒たちがもし戦争があればどこに誰と逃げるかを選んでグループに分かれ、結末を追体験した。

シムクガマ(資料写真)=2019年5月18日撮影、読谷村波平

 日本兵や看護師、母親と逃げることを選んだ生徒たちは「捕虜になるとひどい仕打ちを受ける」と信じ込み、一緒に自決に追い込まれた結論だった。一緒に逃げることを選んだ「おばさん」が最後まで生き延びようと訴え、生き延びることになった児童は「大丈夫だと思っていた人も予想に反して死んだのに驚いた。本当にいろいろな体験をした人がいたと分かった」と話した。

 狩俣さんは「生き残るために選んだ決断だったが、こういう結末が起きた。沖縄戦は生き残る選択肢が難しかった」と説明した。

 沖縄平和賞について「二度と戦争があってはいけない。一人一人が平和を作る気持ちでこの賞がある」と話した。

 (島袋良太)