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全国日本料理コンクールで最高賞 「ゆうづき」知念さん SDGs部門でゴーヤーのワタ活用 沖縄・浦添


全国日本料理コンクールで最高賞 「ゆうづき」知念さん SDGs部門でゴーヤーのワタ活用 沖縄・浦添 「第33回全国日本料理コンクール」で農林水産大臣賞を受賞した知念司代表=3月26日、浦添市の「ゆうづき」
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

【浦添】浦添市の創作料理店「ゆうづき」をはじめ、県内で3店舗を経営する知念司さん(47)=浦添市=が、3月20日に東京都のサンケイプラザで開かれた「第33回全国日本料理コンクール」のサステナブル部門で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。知念さんの受賞は2016 年の郷土料理部門に続いて2度目。

 コンクールは日本料理の技術を競う。サステナブル部門は、SDGs全17項目のいずれかを考慮し、1人前の原価を千円以内にすることなどが条件。知念さんはSDGsの項目に「すべての人に健康と福祉を」「つくる責任、つかう責任」を選んだ。「体にも環境にも優しい」「食材を破棄せず余らせず使い切る」料理を目標に、「まるごとゴーヤー 豚皮を使って前菜盛り」と題して、10品を作り上げた。

農林水産大臣賞を受賞した「まるごとゴーヤー 豚皮を使って前菜盛り」(知念代表提供)

 「ゴーヤー豚皮田楽」は、通常は苦みがあり捨てられるゴーヤーのワタを使用。油で揚げたワタは表面に歯ごたえを生み、豚の皮を入れた甘みのある油みそで焼くことで、苦みを消した。アカマチとゴーヤーなどの野菜を細切りにして蒸した「豚皮赤マチ三色野菜蒸し」や、紅イモを使った団子など、県産の食材の使用にもこだわった。

 知念さんは郷土料理部門で農林水産大臣賞を受賞後、コンクール出場など表舞台からの引退を考えていたという。コロナ禍を経て、「制限が解除され、店が満席になっている光景を見たとき、料理人をしていて幸せだと感じた」。店で働く若い料理人に料理の魅力や素晴らしさを教えたいと、再び挑戦を決意した。

 「大会に出られること自体が幸せで、とにかく楽しんだ。料理の視野も広がった」と知念さん。「(後進には)挑戦する気持ちを大切にしてほしい」と話した。

(藤村謙吾)