名護市大浦の地域交流拠点施設「わんさか大浦パーク」で3日、「久志の手しごとものづくり実演会」が開催された。普段はそれぞれの自宅や工房で作業する地域の作り手が制作過程を披露し、訪れた人たちは職人の鮮やかな手業に見入っていた。
同施設には工芸品の販売コーナー「久志の手しごと」があり、久志地域に住む20人ほどの作り手が作品を持ち寄って、展示や飾りつけをしている。会場では島袋和則さんが厚さ5ミリの竹ひごを編み、直径60センチのミージョーキー(大きく平たいざる)を作る過程を実演した。
竹細工、草玩具、月桃編み、ガラス細工、草木染など、地域の自然を生かしたさまざまな作品が並び、メンバーは毎月集まって、イベントを考えたり、年1回のクラフトフェアを開催したりと、世代を超えて交流してきた。久志地域に伝わる暮らしの知恵や、ものづくりの技術を共有し、伝えていこうと作り手同士のつながりも大切にしているという。
8月末に、夫婦で琉球ガラス工房Pada-one(パダ・ワン)(名護市天仁屋)をオープンし、実演会に参加した玻名城朱里(じゅり)さんは「久志地域は、豊かな自然と海がそのまま残っている。地域のいろいろな行事もあり、人と人のつながり、困ったときに助けてくれる人の温かさが魅力」と話した。
ガラス工房では、泡盛の瓶を溶かして作る、再生琉球ガラスの見学も可能。要事前連絡。久志地域ではわんさか大浦パークで商品を販売している。電話080(4420)7263。
(荒崎彩子通信員)