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沖縄県、設計変更を「承認せず」 あすにも最高裁へ上告 国は年内の代執行→1月着工に踏み切る構え


沖縄県、設計変更を「承認せず」 あすにも最高裁へ上告 国は年内の代執行→1月着工に踏み切る構え 米軍普天間飛行場の移設先として工事が進む名護市辺野古。手前は大浦湾=25日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡る代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部が県に命じた設計変更の承認の期限となった25日、県は承認をせず、27日にも最高裁に上告する方針を決めた。これを受け斉藤鉄夫国土交通相は26日にも、地方自治法に基づき知事に対し承認を行う日時や場所、方法を通知し、28日にも承認を代執行する見通し。沖縄防衛局は来年1月12日にも工事に着手する見込みだ。

 病気療養中の玉城デニー知事に代わって県庁で記者団の取材に応じた溜政仁知事公室長と前川智宏土木建築部長らが発表した。玉城知事のコメントとして「判決にはさまざまな問題があること、また、知事として辺野古新基地建設に反対する多くの県民からの負託を受けていることから、承認処分を行うことは困難だと判断した」と理由を説明した。

 その上で「最高裁で今回の判決の問題点を明らかにし、多くの県民の願いをしっかり訴える」と、上告に向けた手続きを進める考えを示した。

 溜氏は高裁判決について、地方自治法の代執行の3要件に関する判断にそれぞれ「問題がある」と指摘した。違法性要件について高裁判決は、県に承認を求めた是正の指示を適法とした9月の最高裁判決を前提としたものとなっており「違法性があると決めつけている。代執行という制度があるのだから、裁判の中で(あらためて)審査すべきだ」と語った。

 公益性要件についても、国の主張を認め、埋め立て反対の民意は公益の考慮には当たらないとした判断を疑問視した。

 その上で、政府に対し、代執行手続きは取らず、工事を中止して対話による解決をあらためて訴えた。

(知念征尚)