本日10時20分頃、国土交通省より、地方自治法245条の8第8項に基づき、本日10時頃、沖縄防衛局の埋め立て変更承認申請に対し、沖縄県知事に代わって国土交通大臣が承認処分を行ったとの連絡がありました。
国策の名の下に、代執行という国家権力によって、選挙で沖縄県民の負託を受けた知事の処分権限を一方的に奪うことは、多くの県民の民意を踏みにじり、憲法で定められた地方自治の本旨を蔑(ないがし)ろにするものであり、誠に遺憾です。
また、今回の代執行は、法定受託事務に係る裁決については司法の判断を仰ぐことが認められず、さらに、是正の指示等の関与が一方的に重ねられた上で行われました。このことは、国と地方公共団体との関係を「対等・協力の関係」とした地方分権改革の成果を無にし、「上下・主従の関係」に逆行させるものにほかなりません。
全ての都道府県知事は、膨大な法定受託事務を各法令に基づき適正に処理していると思慮しますが、今後、当該事務処理について国と都道府県の法的な解釈が異なった場合に、国の判断だけが正当なものとして認められるという、地方自治を否定する先例が生じてしまったことを深く危惧します。
政府においては、必要性・合理性のない埋め立て工事の強行がもたらしている、このような甚大な問題を直視した上で、沖縄の苦難の歴史に一層の苦難を加える辺野古新基地建設を直ちに断念し、問題解決に向け、沖縄県との真摯な対話に応じていただくよう求めます。
2023年12月28日
沖縄県知事 玉城デニー