【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に向け、国が史上初の代執行に踏み切ったことについて、岸田文雄首相は28日夕、首相官邸で、記者団から代執行に踏み切った理由を問われ「沖縄県知事において司法判断に従った対応がなされなかったため、国土交通大臣において法令にのっとり必要な対応をした」と述べた。
玉城知事が求める対話の機会を設けることについて具体的な言及は避けつつ「丁寧に説明は続けていきたい」とだけ述べた。設計変更の承認で普天間飛行場の返還までに少なくとも12年かかる見通しとなったことには、「基地負担軽減を図るため、全力で取り組む」と述べるにとどめた。
木原稔防衛相は同日の防衛省での臨時会見で、「普天間飛行場の全面返還に向けた一つの節目だ」との認識を示した。工事の長期化が確実になった点には「辺野古移設が唯一の解決策であり、これが最も早い方法」とした。来県中の自見英子沖縄担当相は28日、那覇空港で報道陣の取材に「基地の跡地利用の促進など沖縄振興に引き続き全力を尽くしていきたい」と述べた。 (安里洋輔、梅田正覚)