【動画】「住民視点を欠落した計画」陸自訓練場の断念求め決議 沖縄・うるまで市民集会、党派超え1200人参加 「反対は県民の総意」


【動画】「住民視点を欠落した計画」陸自訓練場の断念求め決議 沖縄・うるまで市民集会、党派超え1200人参加 「反対は県民の総意」 うるま市石川のゴルフ場跡地への陸上自衛隊訓練場整備計画断念を求め、「がんばろう」と気勢を上げる集会の参加者=20日午後6時48分、同市の石川会館(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 「住宅地への自衛隊訓練場計画の断念を求める市民集会」(主催・自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会)が20日、うるま市の石川会館で開かれた。主催者発表で1200人以上が参加した。参加者は全会一致で市石川のゴルフ場跡地への陸上自衛隊訓練場整備計画の断念を求める決議を採択した。 

 参加者は市内外から集まった。政治的立場を超えて市議、県議らも出席し、国会議員も駆けつけた。玉城デニー知事はメッセージを送った。

 決議文は、防衛省が市石川へ陸自訓練場を整備する計画を「住民の視点を完全に欠落させたあまりにもずさんな計画」と指摘した。地元自治会から始まった反対の声がうねりとなって「県民の総意」となり、多くの県民参加のもとで集会を成功させたことを踏まえ、「沖縄の民意が計画の白紙撤回を求めている以上、それに寄り添うことが国民の命と暮らしを守る政府の取るべき態度だ」として計画の断念を求めた。

 「求める会」は19日時点で集まった署名が5580筆と報告した。決議文や署名は防衛相と沖縄防衛局長宛て。来週にも「求める会」のメンバーらが防衛省に提出する予定。

 登壇した地元住民や市石川出身の議員らが訓練場整備への不安や、宮森小への米軍ジェット機墜落のような悲惨な事故を繰り返してはいけないとの思い、住民を無視した手続きへの怒りを表明した。うるま市の中村正人市長は「住民が不安を持って生活することを避けるため市長として白紙撤回を要求した。引き続き国に対して粘り強く求めていく」と述べた。

 同計画は昨年12月、報道で住民が知ることとなり、今年1月に地元の旭区自治会の住民が全会一致で反対を決議した。2月1日には石川地区自治会長連絡協議会が、同16日に党派を超えた市石川出身の全7市議が反対を表明。同17日、玉城知事は木原稔防衛相との会談で計画を白紙に戻すよう求めた。

 2月24日には計画断念を求めるため元石川市議会議員OB会が結成された。計画断念を求める動きが広がる中、同27日に自民党県連が白紙撤回を要求した。3月1日に、うるま市の全63自治会が加入する市自治会長連絡協議会と中村市長が計画断念を求める立場を表明。3月10日に、市内外の団体で構成する「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」が設立した。

 (金盛文香)