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米軍の性犯罪、他県でも非公表 青森、神奈川、山口では県も把握せず


米軍の性犯罪、他県でも非公表 青森、神奈川、山口では県も把握せず 山口県岩国市の米軍岩国基地=2019年(共同通信社撮影)
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 在沖縄米兵の性的暴行事件が相次いで発覚した問題を巡り、米軍基地の立地する青森、神奈川、山口、長崎各県でもここ数年、性犯罪事件が報道発表されていなかったことが18日、分かった。県への通報がなかったことも判明。全国的に米軍の性犯罪が市民に知らされていない可能性がある。

 神奈川県警国際捜査課が公表資料の残る2021年~今年6月分を確認したところ、22年に強制性交致傷の疑いで米軍人を書類送検し、今年に不同意わいせつの疑いで米軍属を逮捕していた。2件とも広報しなかった。いずれも起訴されなかったという。

 同課は非公表の理由を「二次被害防止や報道による精神的苦痛への配慮のため。米軍関係者だからといって特別扱いはしていない」と説明した。

 神奈川県基地対策課は「現時点で2件は把握しておらず、今後状況を確認していく」とした。

 山口県警は、22年に強制わいせつ容疑で米軍関係者を書類送検した。「公益上の必要性とプライバシー保護の両面から公表しない判断をした」と説明した。

 山口県も事件を把握していなかった。県は、沖縄での問題を受け、山口でも未発表のケースがなかったか国に照会。今月上旬に「捜査機関の活動内容のため明らかにできない」と回答があったという。山口県は国に対し、情報の伝達方法を再確認する方針。

 青森県警は21年に強制性交容疑で、22年には強制わいせつ容疑でそれぞれ米軍関係者を書類送検。いずれも不起訴となった。「(発表しない)理由は公表していない」とコメントした。

 青森県防災危機管理課は「東北防衛局から連絡はない」とし、事件を把握していなかった。

 長崎県でも16年に強制わいせつ容疑で、17年に準強制わいせつ容疑で、米軍関係者が書類送検されたが、県警は公表しなかった。18年以降は摘発がない。