牛島司令官の「辞世の句」 陸自がHP掲載を取り下げ「地元の理解が不可欠」 沖縄


牛島司令官の「辞世の句」 陸自がHP掲載を取り下げ「地元の理解が不可欠」 沖縄 日本軍第32軍の牛島満司令官の辞世の句を掲げていたホームページの見直しを明らかにした陸上自衛隊第15旅団のホームページ
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 沖縄戦を率いた日本軍第32軍の牛島満司令官の辞世の句を陸上自衛隊第15旅団がホームページに掲げていた問題で、15旅団は31日、ホームページを見直す考えを示し、辞世の句の掲載を取り下げた。

 辞世の句を掲載していた沿革紹介のページで明らかにした。その説明の中で「旅団の様々な活動は、地元の皆様のご理解が不可欠」としている。

日本軍第32軍の牛島満司令官の辞世の句を掲げていたホームページの見直しを明らかにした陸上自衛隊第15旅団のホームページ

 陸自は取材に対し、見直しの理由について、掲載していた情報が古いという認識があったと説明。リニューアル後の、辞世の句の取り扱いは「検討する」としている。

 辞世の句の掲載は6月に本紙報道で表面化。沖縄戦体験者や平和団体から、多くの住民を犠牲にした沖縄戦を指揮した司令官に対する県民感情を無視するものとして、抗議や削除を求める声が相次いだ。


陸上自衛隊第15旅団の公式ホームページに掲載されていた牛島満司令官の辞世の句。辞世の句の前には、「沖縄作戦において風土・郷土防衛のため散華された軍官民20余万の英霊に対し、この決意を誓うとともに御霊安かれと祈念する次第である」という桑江良逢臨時第1混成郡長の訓示が載っていた。

(南彰、明真南斗)