陸自駐屯地内で大麻使用 沖縄県警、所持疑いで隊員を追送検 駐屯地で尿検査実施、1000人規模か 


陸自駐屯地内で大麻使用 沖縄県警、所持疑いで隊員を追送検 駐屯地で尿検査実施、1000人規模か  陸上自衛隊那覇駐屯地のゲート=11月、那覇市
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 陸上自衛隊那覇駐屯地所属の陸上自衛官2人が大麻取締法違反容疑で逮捕された事件で、那覇駐屯地内の隊舎から少量の乾燥大麻が見つかり、県警が押収していたことが2日までに関係者への取材で分かった。

 県警は2日、隊舎内で大麻を所持していたとして、同駐屯地所属で自衛官の特定少年(19)=当時=を同容疑(所持)で那覇地検名護支部に追送致した。同駐屯地には2千人超の隊員が所属していて、関係者によると、事件を受け駐屯地所属の隊員を対象に尿検査が実施された。対象者は千人規模に上るとみられる。

 事件は名護市内で9月、財布の中に大麻約0.85グラムを所持していたとして、同駐屯地所属の男性自衛官(20)が逮捕された。那覇地検名護支部は10月11日、男性自衛官を同法違反(所持)の罪で起訴した。

 男性自衛官に大麻を譲り渡したとして10月、同僚で自衛官の特定少年が逮捕され、27日付で同法違反(譲渡)の罪で起訴された。起訴状によると、自衛官の特定少年は那覇駐屯地内の建物1階喫煙所で、8千円で大麻を譲渡したとされる。

 関係者によると、自衛官の特定少年はSNSなどで密売人から大麻数グラムを仕入れた。県警はこれまでに2人の関係先を家宅捜索し、巻紙などを押収したほか、隊舎で特定少年の所持品の中からビニール袋に入った約0.36グラムの乾燥大麻を発見し、押収した。特定少年は警察の調べに「駐屯地内で大麻を使用した」などと話しているという。

 2人の逮捕を受け、那覇駐屯地は所属隊員らを対象に尿検査などを実施。訓練中の隊員や休日の隊員も呼び出されるなど大規模に行われ、所属隊員らの間で動揺が広がったという。

 那覇駐屯地は琉球新報の取材に、「全ての隊員に漏れのない服務指導を行い、再発防止に努める」としていて、尿検査の実施や検査結果の公表の有無、具体的な再発防止策などついては、詳細な回答は差し控えるとしている。