【国頭】国頭村の秋の風物詩となっている、地域では「幸福を呼ぶ魚」と言われるフーヌイユ(和名シイラ)の日干しが、同村宜名真で10月15日から始まっている。この時期に宜名真漁港内で開催されている「フーヌイユまつり」は、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止となった。それでも、今月に入り漁師らはいつも通りに、約300年続くと言われる地域の伝統漁法のフーヌイユ釣りに取り組んでいる。
15日、宜名真区の浦崎光男区長の呼びかけで漁師や区民らが宜名真漁港に集まった。漁師らの操縦する漁船7隻は、午前6時ごろ宜名真漁港を出港。沖にあるパヤオ(浮き魚礁)の周辺をゆっくりと旋回しながら釣り上げ、約2時間の漁を終え午前8時ごろ帰港、約80キロが水揚げされた。地元の漁師や区民がフーヌイユを3枚におろし、約1時間塩漬けした後、風通しのよい場所ですだれ状にして2日間天日干しした。
今年は水揚げ量の状況を確認しながら、3千円の700グラム入りパックと、身を取った後の頭や骨などが入ったアラ・汁用500円の1キロ入りを宜名真共同店で販売する予定。
浦崎区長は「コロナの影響でまつりは今年も中止となったが、漁師の操業も始まって活気が出てきた。これからも貴重なフーヌイユを特産品として活性化につなげたい。購入の際は、共同店に問い合わせてほしい」と話した。問い合わせは宜名真共同店、電話0980(41)8143。
また、道の駅ゆいゆい国頭(フードコート)で7日から13日まで、宜名真区、フーヌイユ絵本制作チーム、スローフード琉球主催による「宜名真フーヌイユ展」を開催する。フーヌイユを学ぶ資料展示のほか写真・動画(絵本づくりの記録)、絵・書道作品を展示。2月に発行された絵本「宜名真のフーヌイユ」や、フーヌイユグッズ(Tシャツ、手ぬぐいなど)も販売される。
最終日の13日には「宜名真のフーヌイユ」絵本の読み聞かせ、フーヌイユの販売(数量限定)もある。主催者では、多くの来場を呼びかけている。問い合わせはスローフード琉球事務局(山田)slowfood.ryukyu@gmail.com (新城高仁通信員)
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