私たちのSDGs Uー30と考える未来の沖縄 <OSP関連シリーズ>


私たちのSDGs Uー30と考える未来の沖縄 <OSP関連シリーズ>
この記事を書いた人 琉球新報社

 持続可能な開発目標(SDGs)の認知は広まってきたが、どれくらいの人が行動に移せているだろうか。2015年の国連サミットで採択された17のゴールと169のターゲットで構成される国際目標の達成に向けた最終年の2030年まで、あと6年。気候変動やジェンダー、貧困や教育などの社会課題に日本を含め世界各国が取り組みを進めている。

 地球上の「誰1人取り残さない」ことを誓った目標に対し、自らの足元に落とし込み、取り組みを始めた沖縄の若者達がいる。

 彼らは政財界の指導者が世界中から集まるダボス会議を主催する世界経済フォーラムが発足させた若者組織「グローバル・シェイパーズ・コミュニティ」に所属するメンバーだ。世界各地に「ハブ」と呼ばれる支部があり、沖縄にも「沖縄ハブ(GSCO)」がある。海外留学や研修など国際経験が豊富な、さまざまな分野で活躍する30歳以下のメンバーが集まる。

 メンバーはこれまでにない新たなアプローチで社会課題の解決に挑んでいる。そして、沖縄らしいSDGsを推進する企業・団体のネットワーク「OKINAWA SDGsプロジェクト」(OSP)の活動にも共鳴している。県外や海外での経験を糧に「沖縄のために」と課題に向き合う若者たちの取り組みと思いを紹介し、私たちにできるSDGsを一緒に考えていく。

 CONTENTS

 <Challenge #1> 

沖縄の若者が「世界一貧しい大統領」と対談! 地球の反対側で知った人生で大切にしたいこと

 社会課題の解決に関心の高い若きリーダーたちの世界的組織「グローバル・シェイパーズ・コミュニティ」の沖縄ハブで、まとめ役となっている比嘉麻里萌さん(29)。海外留学や研修を経験した比嘉さんは「世界一貧しい大統領」で知られるウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領と対談した経験がある。地球の反対側まで会いに行くほど熱望したムヒカ氏との対談は、貧困や教育など社会課題の解決に向けて世界と沖縄をつなぐ活動へと比嘉さんを駆り立てる原動力となっている。

<Challenge #2>

沖縄で成績1位なのに… 学習塾を経営する大学生が目指す教育のカタチ 

 大学受験生当時に全国模試で沖縄県内1位となり、大学入学後に19歳で学習塾を起業した前田龍吾さん(24)。慶応大学に在学中で東京と沖縄を行き来し那覇市内で生徒の受験指導にあたる前田さんだが、高校時代の成績は、校内順位100番台からのスタートだったという。受験や東京で送る大学生活など、自身の経験から育った場所による「教育格差」を感じる中で「人の数だけ教育を」というビジョンにたどり着き、受験生に向き合う日々を送っている。

<Challenge #3>

スプーンから代替肉まで 産廃だったおからに高付加価値を

 島豆腐を製造する過程でできる〝おから〟は、食用として活用されるのはわずか1%。沖縄県内だけでも年間1000トンも廃棄されており、その処理費用が豆腐屋の経営を圧迫している。大学時代にその課題に触れたOkaraokara代表の崎濱花鈴さん(24)は、おからで作った食べられるスプーン「Pacoon(パクーン)島おから味」を開発した。廃棄されてきたおからを資源として活用することで豆腐文化を守り、沖縄経済を支えるシステムの構築を目指している。

<Challenge #4>

10年後の沖縄で花を咲かせる 「ぬちぐすい」で社会と医療をつなげる活動を

<GSCOメンバー紹介>

グローバル・シェイパーズ・コミュニティ沖縄ハブ(GSCO)に参加する若者たちとその取り組みを紹介します


 GSCOのメンバーは、3月22、23日に那覇市の琉球新報社で開かれるOKINAWA SDGSプロジェクト(OSP)の年次フォーラムで団体や企業とともに展示ブースなどを展開する予定だ。「For Okinawa グローバル・コネクション 沖縄と未来を共に」をテーマに、社会課題の解決へ企業や行政、団体との連携を模索する。

OKINAWA SDGSプロジェクト(OSP)の年次フォーラムの特設サイトを見る ⇒ https://www.osp.okinawa/projects/ospforum2024