prime

発見・発明・発売まで行う新しい農業・養蚕 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役)<仕事の余白>


発見・発明・発売まで行う新しい農業・養蚕 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役)<仕事の余白> 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役)
この記事を書いた人 Avatar photo 外部執筆者

 日本の基幹産業であった養蚕の歴史は古く、紀元前の中国を起源とし、4500年以上も前から蚕(かいこ)は飼育されていた。

 日本では1~2世紀から養蚕が始まり「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」、「十七条の憲法」においても絹の重要性について記載がある。このことから卑弥呼(ひみこ)や聖徳太子も養蚕を重宝していたことが分かる。

 しかし、養蚕は時代が進むにつれ衰退し、1929年の世界恐慌をきっかけにナイロンの普及、輸入絹織物の増加、後継者不足や円高なども重なり、絹製品の需要は落ち込み、養蚕を営む農家は激減した。

 こういった歴史と60年以上の衰退が続いた日本の養蚕だが、現在では、バイオテクノロジーなどの技術革新により、養蚕は新しい農業として注目されている。

 私の活動もその一つである。桑ではなくキャッサバの葉を食し成長する一般的な蚕とは異なる「エリ蚕(さん)」を大規模養蚕している。

 ご存じのとおり、蚕は完全変態の昆虫である。卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫と変態の過程を経て、1世代を完了する。この変態の過程でとれる繭(まゆ)、蛹等を用い『発見・発明・発売まで行う新しい農業(養蚕)』を営んでいる。

 この新しい農業(養蚕)は、私が目指す新産業構築の一歩であり、一次産業(農業)が持つ力、世界の課題解決(感染症予防・食料危機等)につながる新しいモノづくりの発信である。この新しい農業(養蚕)を未来を支える子どもたちに伝え、地域の発展に貢献していきたい。