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コンボルトタンク 高知で災害時活用 土佐市と導入企業協定


コンボルトタンク 高知で災害時活用 土佐市と導入企業協定 土佐市内に設置されているものと同タイプのコンボルトタンク=沖縄県内 (コンボルト・ジャパン社提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 池田 哲平

 堅牢さと安全性の高さで知られる、うるま市のコンボルト・ジャパン(うるま市、島袋修社長)の燃料タンクが、非常時の自治体の燃料供給用として注目され、高知県で活用されることになった。導入している企業の燃料タンクを災害発生時などに行政が利用する仕組みだ。同社の担当者は「緊急時の自治体の業務継続の一助となれば大変光栄だ」と話している。

 運送業の三谷運輸(高知市、三谷圭社長)が土佐市の物流センターに「コンボルトタンク」を導入しており、災害が発生した場合、土佐市がこのタンクから供給を受けて緊急車両や発電用の燃料として使用する。9日に土佐市と三谷運輸が同市内で連携協定を結んだ。

 コンボルト社によると、企業と自治体が災害時の燃料タンクの使用に関して協定を結ぶのは全国で初めてとみられる。

 コンボルトタンクは、丈夫な形状と安全性が評価され、全国で約850基以上の設置実績がある。東日本大震災後に宮城県漁協の復興タンクとして採用された。

 高知県は南海トラフ地震が起こった際に被害が出ることが予想されている。土佐市に災害時の燃料確保に課題があることを知った三谷運輸が協力を申し出た。三谷社長は「コンボルトタンクが災害に強いことを知り、物流センターに導入した。非常時に微力ながら力になりたい」と話した。

 締結式で、土佐市の板原啓文市長は「災害時には人命救助やインフラの早期復旧につながる燃料の確保は必要不可欠だ」と述べた。コンボルト・ジャパンの大城明弘取締役営業部長は「このような施設が広く地域へ点在すれば、災害時の燃料確保のリスク分散化となり、早期復旧へつながるのではないか」と話した。

 (池田哲平)