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きょう「いい肉の日」 畜産の未来担う農林高校生ら奮闘 共進会に出品も 沖縄・北農と八重農


きょう「いい肉の日」 畜産の未来担う農林高校生ら奮闘 共進会に出品も 沖縄・北農と八重農 牛に牧草を与える生徒=24日、名護市の県立北部農林高等学校寄合原農場
この記事を書いた人 Avatar photo 玉寄 光太

 11月29日は「いい肉の日」。県内の農林高校では、高校生らが畜産に打ち込んでいる。ことし10月末から11月にかけて開催された県畜産共進会で、枝肉部門に名護市の北部農林高校が、種畜部門に石垣島の八重山農林高校が出品した。両校とも受賞は逃したものの、「県畜産業を担う若者たちだ」と業界内で明るい話題となった。北農で畜産を学ぶ生徒たちは「畜産は大変だが、誰かが担わないといけない」と目を輝かせた。


 北農熱帯農業科畜産コースでは1~3年生が交代で、平日の牛舎と豚舎を管理する。畜舎の汚れたわら草や糞のかき出し、餌やりなどの世話のほとんどを生徒が担う。
 同コース3年生の矢之貴航太郎さんは、掃除中に子牛に服を引っ張られながらも、テキパキと牛舎の中を片付けていた。矢之貴さんは「世話は大変だけど、命の大切さを学ばせてもらっている」と笑顔を見せた。

 非農家出身の島袋考平さん=3年=は「食肉処理は大変な仕事で辞める人も多いと知った。だからこそ誰かが担わないといけない」と力を込める。初めての牛や馬の世話は大変だったが、次第に接する動物の個性や成長を見る中で楽しみも増していった。「育てることと食肉処理について学びを深めていきたい」

 担当の下地貴村教諭によると、最初は牛を怖がっていた生徒も実習を重ねるごとに触れるようになるという。共進会に出品したことについては「どうやってお肉になり、消費者のもとへ届けられるかを生徒たちに見てほしかった」と話し、牛舎で汗を流す生徒たちを見守った。 

(玉寄光太)