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ホテル 100日で再生 ハンドレッドデイズホテル(東村) SNS呼びかけ、皆で改装


ホテル 100日で再生 ハンドレッドデイズホテル(東村) SNS呼びかけ、皆で改装 ハンドレッドデイズホテルの客室
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 東村有銘に地上5階建て、全12室の素泊まり宿泊施設「ハンドレッドデイズホテル」が新装開業した。支配人は東京都出身の若松瑠(る)美(び)さん。「100日間で廃虚を超人気ホテルに変えるパリピ」として交流サイト(SNS)で話題の人物だ。若松さんは県内外のフォロワーが改装に協力したことに触れ「みんなで作り上げたホテルをぜひ体験しに来てほしい」と話す。

 元々は素泊まりのホテルで、新型コロナの影響を受け廃業した。物件を所有する那覇市の不動産KC企画がホテル経営者を探していたところ、若松さんが名乗りを上げた。東京でコワーキングスペースの運営などをしていた若松さんは「新しいことをやってみたい」と6月から東村に移り住んだ。改装についてSNSで発信し続け、100日間で10月の開業にこぎ着けた。

ハンドレッドデイズホテルの外観=東村
ハンドレッドデイズホテルの外観=東村

 動画投稿アプリTikTok(ティックトック)やユーチューブ、インスタグラムなどで改装の様子を毎日投稿した若松さんの総フォロワー数は約35万人。

 インフルエンサーとなった若松さんの下には県内外のフォロワーが改装の協力に訪れた。地元の人や企業など100人以上が作業を手伝い、当初約600万円を見込んでいた修理費は100万円以下に収まった。

 宿泊施設は通常、集客のため広告などに費用をかけるが、SNSへの動画の企画や編集は、全て若松さんが手掛けているため広告費用はほぼゼロ。10月開業のホテルは、屋上のジェットバスから眺められる星空など特長をSNSで知った視聴者らで週末はほぼ満室。ただ、レストランや売店など付帯施設がなかった。

 顧客満足度を高めようと、若松さんはホテルの1階ロビーを宿泊客以外も利用できるカフェに改装。東村のパイナップルを使ったスムージーなどの提供を検討している。

 若松さんは「SNSを通じて完成した、リアルドキュメンタリーホテルだ。東村はいいところなので、ぜひ来てほしい」と話した。ツイン1部屋8800円~。予約はホテルのホームページから。

 (與那覇智早)