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うるま市の1人当たりの所得 県全体で労働生産性の向上を <けいざい風水>


うるま市の1人当たりの所得 県全体で労働生産性の向上を <けいざい風水>
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 先月、最新となる2021年度の市町村民経済計算が公表されました。市町村民経済計算では市町村内総生産や1人当たりの市町村民所得などが公開されており、市町村ごとの経済規模や構造、所得水準などを確認することができます。うるま市は那覇市、沖縄市に次ぐ人口を抱えていることもあり、市町村内総生産と市町村民所得は県内でも4番目の高さです。県内では規模が大きく、市内総生産、市民所得ともに前年度よりも増加しているため、市の経済は成長していると言えるでしょう。

 一方で、1人当たりの数値を見ると少し印象が変わるかもしれません。就業者1人当たりの市町村内総生産を見ると、うるま市は12番目の高さになります。さらに、1人当たりの市町村民所得は県内全市町村の中で下から2番目の低さとなります。1人当たりの市町村民所得は、雇用者報酬、財産所得および企業所得の合計である「市町村民所得」を、その年の各市町村人口で割った数値となるため、個人の給与や実収入など所得水準を表すものではありませんが、うるま市においては就業者比率が低いことなどが要因として挙げられることもあります。

 このような所得の低さはうるま市に限らず、全国と比較した際の沖縄県の課題でもあります。所得の向上を実現するためには、労働生産性を向上させる必要があります。労働生産性向上については沖縄県がさまざまな施策を行っていますが、県だけでなく市町村や県内企業も当事者意識を持ち、一体となって向上に向けて取り組む必要があるでしょう。

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赤嶺 正明 沖縄銀行 安慶名支店長