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シークヮーサー「愛」を発信 大宜味の施設9年目 23年7万人来場 商品売り上げ伸び 従業員ら魅力伝える


シークヮーサー「愛」を発信 大宜味の施設9年目 23年7万人来場 商品売り上げ伸び 従業員ら魅力伝える 大宜味シークヮーサーパークを運営するアヤナス大宜味の朴諒二社長=4月9日、大宜味村の同所
この記事を書いた人 Avatar photo 玉寄 光太

 【大宜味】シークヮーサー関連商品をそろえている大宜味シークヮーサーパークが徐々に売り上げを伸ばしている。4月で開所から9年目に入り、年々来場者数も増加している。シークヮーサーの良さを知ってもらえば、継続して購入してもらえるという代表者の信念の下で、従業員教育を通して商品説明などを改善したことが功を奏しているという。沖縄のシークヮーサーの良さを広め「さらなる価値向上を目指したい」と意気込む。

 健康食品を手がける「沖縄特産販売」のグループ会社「アヤナス大宜味」(朴諒二(パク・リャンイ)社長)が運営。シークヮーサーの魅力の発信を目的に、2016年にオープンした。やんばるで採れた素材を扱う加工場を併設し、収穫時期にはシークヮーサーの搾汁などが見学できる。

 商品開発も積極的に取り組み、ドレッシングやスイーツ、サプリメントなどを扱い、レストランでの関連メニューを含めると約50種類の商品が並ぶ。特に、収穫開始時期の9月だけの果汁を使った「シークヮーサー初搾り」は人気が高い。

アヤナス大宜味が開発した商品ラインナップの一部

 観光スポットにもなり、来場者は年々増加。現在、1日当たり200人以上が来場する。22年には年間約5万人が訪れ、23年には約7万人を記録した。

 成長の背景には、朴社長の思いがある。体にいいシークヮーサーにほれ込む朴社長は、土産物市場でのシークヮーサー商品の在り方に疑問を感じていた。土産物として一度は購入してくれても、継続して買い続けてくれるケースが少ないことだ。生産者の収入安定も課題だった。

 朴社長は「シークヮーサーは価値や魅力が詰まっている。商品が問題ではなく伝える側の力次第だ」と感じた。まずは従業員にシークヮーサーを好きになってもらうことが必要だと考え、社内でその素晴らしさを伝え続けた。従業員が来場者に魅力を伝えられるよう教育を徹底した。

 来場者とのコミュニケーションの大切さも訴えた。その結果、土産物として買ってくれた商品を気に入り、繰り返し購入する客が増え始めたという。

 コロナ禍による影響で来場者数は激減した時期もあったが、リピーターがオンラインショップで商品の購入を続けたことで売り上げは維持した。

 今後、年間10万人の来場者数と5億円の売り上げ達成を目指している。朴社長は「シークヮーサーで沖縄の経済を少しでも支えていきたい」と話し、従業員らと一丸となってその魅力を伝え続けていく。 

(玉寄光太)