那覇―久米島間を約1時間で結ぶ高速船が8月中に新規就航することが30日、分かった。久米島オーシャンジェットと久米商船が共同経営・運航する。当初は4月中の就航を目指していたが、調整や高速船整備などに時間がかかっていた。
両社は9日に共同経営・運航に関する契約を締結。30日に開かれた久米島オーシャンジェットの株主総会で了承された。乗客230人、乗員9人で、那覇港―兼城港を1日2往復する。運賃は往復1万4千円(片道7千円)で、久米島町民は半額で利用できるほか、町出身者運賃の割引も検討している。
那覇―久米島間の海路は片道2時間以上短縮する見通し。1日2往復で本島からの日帰り観光が可能になることから観光客数の増加にも期待がかかる。観光シーズンの夏場や帰省ラッシュの正月などには臨時便も運航する予定で、年間14万5千人の利用者数を見込んでいる。
高速船は「ジェットフォイル」と呼ばれる水中翼船。JR九州高速船(福岡市)が博多―韓国・釜山間で運航していた高速旅客船「ビートル」(全長約24メートル、164トン)を久米島オーシャンジェットが昨年7月に約6億円で購入していた。
久米島オーシャンジェットの大道敦社長は「久米島を訪れる観光客は年間8万~10万人となっている。高速船就航は久米島観光の起爆剤。久米島を宮古、石垣に次ぐ一大観光地とし、年間30万人の来島者を目指したい」と語った。
(当間詩朗)