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高校のない離島教育支援について 家計に負担、県が寮設立 <けいざい風水>


高校のない離島教育支援について 家計に負担、県が寮設立 <けいざい風水>
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 沖縄県には島内に高校がない島が数多くあり、それらの島には26校の中学校があります。中学校を卒業する生徒たちは高校進学と同時に住み慣れた島、そして親元を離れ、新生活を始めることになります。

 多くの学生たちはアパートを借り、自炊をしながら高校生活を送っています。しかし、単身やきょうだいだけでの暮らしは生活環境が不安定となり、学習時間の減少や進学先の変更につながりかねません。さらに、支出の中でも大きな割合を占めるアパートの家賃は、昨今の物価上昇、建築資材の高騰などの影響で上昇傾向にあります。

 おきぎん賃料動向ネットワーク調査(2022年)によると、新築1R~1LDKの1カ月の家賃相場は約5万6400円、年間約67万円であり、家計への負担が大きいことが予想されます。そのため、親の経済的な負担を減らそうとアルバイトを行う学生も少なくありません。

 そこで、沖縄県は2016年に高校がない離島出身者の経済的支援を目的とした学生寮「県立離島児童生徒支援センター(群星寮)」を設立しています。群星寮は寮費も朝夕の食事込みで3万7300円であり、生活環境の安定、学習環境の整備、舎監ら職員が24時間2人以上勤務しており、支援の充実した施設となっています。

 教育の質の向上、貧困問題の解決のためにも、離島出身者だけでなく、諸事情で学習環境を確保することが厳しい学生までを対象とした支援の輪が今後も広がることを願います。

この記事を書いた人
川満 千美 沖縄銀行 営業推進部上席調査役