りゅうぎん総合研究所(豊田良二社長)は22日、2024年2月に県内で実施されたプロ野球春季キャンプによる経済効果が過去最高の177億9300万円となったとの調査リポートを発表した。延べ観客数は過去最高だったコロナ禍前2019年の40万8千人を4万9千人上回り、45万7千人が各球場を訪れたことに加え、物価上昇などの影響で宿泊単価や1人当たり観光消費額が増加したことが要因となった。
りゅうぎん総研によると、キャンプ参加人数は選手・球団関係者合わせて約1180人。観客数45万7千人のうち、県外からは9万8千人と推計した。経済効果の中で、宿泊費や飲食費などの直接効果は111億1100万円、他産業や雇用者の消費支出などに波及した間接効果は66億8100万円だった。
コロナ禍で制限されていたファンサービスが復活したことなども観客数を押し上げた。また、昨年2月の降水量が77ミリだったのに対し、今年は49ミリと好天だったこと、3連休が2回ある日並びなども後押しした。
各球団発表などによると、球団別観客数は、昨季38年ぶりの日本一に輝き、宜野座でキャンプを張る阪神が前年比約4万人増の10万1800人だった。
タピックスタジアム名護でキャンプを行う日本ハム、後半キャンプを糸満市で実施した千葉ロッテも観客数を伸ばした。独自のファンサービスなどに取り組む新庄剛志監督や日本人最速記録保持者で「令和の怪物」と評される佐々木朗希投手ら、注目選手を一目見ようと、多くの観客がキャンプ地に足を運んだとみられる。
りゅうぎん総研の城間櫻研究員は、経済効果拡大に向けた課題と展望について(1)設備強化(2)消費行動の促進(3)交通問題の解消―の3点を挙げ「地場産業を盛り上げる取り組みを強化し、より多くのファンを魅了する施策を打ち出すことが求められている」と指摘した。
(当間詩朗)