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【インタビュー】初任給30万円、その狙いは? タップの吉田社長に聞く ホテルのコンサル会社 沖縄


【インタビュー】初任給30万円、その狙いは? タップの吉田社長に聞く ホテルのコンサル会社 沖縄 初任給引き上げの意義を語る吉田亮一社長=18日、うるま市州崎のタップホスピタリティラボ沖縄
この記事を書いた人 アバター画像 玉城 文

ホテルのコンサルティングやシステム開発などを行うタップ(東京)の吉田亮一社長(57)に、初任給引き上げの狙いなどを聞いた。

―初任給を大幅に引き上げた。

「優秀な人材を質・量ともに確保することが狙い。そのために若いうちから魅力ある給与を出して、競争力を高めた。技術職の中途採用者は流動性が高く、離職者が多い。システムを外注化せず一から開発していくことから、新卒者のプロパーを一定数そろえて、育てていきたい。24年は新卒で(東京と沖縄で)13人採用したが、25年はさらに20人の採用を狙っている。大半は技術職を予定しており、約半数は沖縄で勤務してもらう」

―教育機関との連携も行っている。

「琉球大学や沖縄工業高等専門学校などからインターンシップを受け入れている。沖縄高専の学生とは手話ロボットの研究をした。手話の動きを読み取り、ロボがメッセージボードで対応する。ホテル以外の施設でも活用できる。琉大の学生には主にデータ分析など情報処理で活躍してもらっている。琉大とはホスピタリティ工学研究所という分室を設け、共同研究している。学生にとっては、勉強してきたことが社会で活用されるのが目に見えるのは楽しいのではないか。会社にとっては、若い知見を入れてもらい開発がスピードアップできる」

―今後の展望は。

「観光業はDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでいない。全国で1700の施設にシステムを導入してもらっている。観光立県の沖縄から、沖縄の人材で、観光業の生産性の向上に関わる技術開発を進めていきたい」 

 (聞き手・玉城文)