沖縄の伝統菓子「ちんすこう」が地理的表示(GI)保護制度に基づく登録商品となり、27日、農林水産省で登録証の授与式があった。地域の知的財産として模倣品対策などの保護下に入る。GIで菓子類が登録されたのは初めて。
ちんすこうは琉球王朝時代に首里城内で作られた琉球独自の伝統菓子をベースに王朝最後の宮廷料理人の子孫が考案した焼き菓子。材料は小麦粉と砂糖、ラードなどを用いるのが基本だが、ラードに代わってバターを使用するなど、県外企業が食味が異なる菓子を「ちんすこう」として販売する事例が確認されているという。
登録団体は県観光おみやげ品公正取引協議会で、県外や国外での模倣品対策を講じるためにGI登録を申請していた。
この日、舞立昇治政務官から登録証を授与された同協議会の松本元一会長はあいさつで、「ちんすこうの価値を高めるために品質の保持と向上に努め、この地域の魅力を発信していきたい」と抱負を述べた。
GI登録を前に同協議会では、県内で製造することをはじめ、ラードを主原料に使用するなど原料や製造方法でちんすこうを定義した。松本会長は今回の登録により「沖縄に根差した伝統的な産品であることが保障された」としている。
今回の授与式では同時に、鳥取県米子市のネギ「伯州美人」や兵庫県のそうめん「揖保乃糸」などがGI登録された。県内でGI登録されているのは、ほかに琉球もろみ酢やぐしちゃんピーマン、中城島にんじんがある。
(斎藤学)