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沖縄県産「電動カート」県外に初展開 宇都宮市で観光ツアーに活用


沖縄県産「電動カート」県外に初展開 宇都宮市で観光ツアーに活用 イメイドが製造し、宇都宮市に納車した県産電動カート「CV―8」(同社提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 電動モビリティー(乗り物)の開発、製造を手掛けるベンチャー企業「イメイド」(うるま市、伊口明高社長)は22日までに、自社開発の公道仕様電動カート「CV―8」(8人乗り)を栃木県宇都宮市に納車したと発表した。同市大谷地域を周遊する観光ツアーで活用されている。同社はこれまで県内のホテルなどに県外大手メーカーのゴルフカートをカスタムした電動カートを販売してきたが、自社でデザインから設計、製作までした「メイドイン沖縄」の電動カートを販売するのは初めて。

 イメイドは時速20キロ未満で公道を走ることができる電動車「グリーンスローモビリティ」市場での拡大を狙う。年度内に投資家から5億円程度の資金調達を行い、2026年度までに電動カートを年間100台生産できる体制の構築を目標に掲げる。自動運転技術を持つ台湾企業との連携も模索しており、将来的には自動運転車市場への参入も目指す。

 宇都宮市への販売は、うるま市と友好都市提携を結んでいる縁から大谷地域でイメイドの電動カートを使った実証実験を実施したことがきっかけ。今後はうるま市津堅島での活用に向け、同市への納車も予定している。

 現在同社には大規模な生産体制がないため、電動カート1台当たりの価格は数百万円程度かかるものの、その分、客の要望に応じてカスタマイズできる強みがある。今後、生産体制を拡充して1台当たりの販売価格を引き下げる計画だ。将来的には県内外をはじめ、海外でもシェアを広げ、県内製造業で初の株式上場を目指す。

 伊口社長は「観光産業が柱の沖縄の産業構造に、製造業の柱も加えることがわが社のビジョンだ。事業を拡大し、Uターンを望む県出身理系人材の受け皿となりたい」と語った。

 (梅田正覚)