日本航空(JAL)は19日、国内初の電動トーイングカー(航空機牽引車)1台を、那覇空港に導入し、本格運用を開始した。環境にやさしい空港づくりを推進する取り組みの一環で、同車の導入により二酸化炭素(CO2)排出量削減や、騒音が約15%軽減される効果が見込める。
トーイングカーは、航空機の出発時にプッシュバック(後退)や駐機場間の移動に使用される。TLD社(フランス)製で、従来のディーゼルエンジン車と比較しCO2排出削減量は年間8・1トンに相当する。
同型の電動トーイングカーの導入は世界で43台目。同車は小型機用で、日本トランスオーシャン航空(JTA)のボーイング737―800機に使用する。充電が満タンの状態で、プッシュバックが約23回、トーイングは約8回可能という。
導入費用は車両と充電設備を合わせて約3千万円。電動機材の実証事業として国土交通省の空港脱炭素化推進事業費補助金を活用し、半額が補助された。
担当者は「環境にやさしいトーイングカーの導入を今後も拡大していきたい」と話した。
(與那覇智早)