「第48回沖縄の産業まつり」が25日、那覇市の奥武山公園と県立武道館を会場に始まった。沖縄経済がコロナ禍から回復する中で、会場では原材料高などの製造業を取り巻く近年の課題を克服しようと、高付加価値化を図ったり、収益の柱を増やすため新規事業を展開したりと、知恵と工夫を凝らして試行錯誤を重ねた新商品が多く見られた。2024年度の「優良県産品」に推奨された49品から優秀11点の表彰式も開かれた。
宮平乳業(糸満市)はまつり会場で、同社の「宮平牛乳」を使ったジェラートを販売している。2019年に創業100周年を記念してジェラートを販売したが、製造は外部委託していた。今年4月に設備を導入して自社製造できる体制を整えた。約3年前からハンドクリームやフェースパックなども製造しており、生乳以外の商品を充実することで高付加価値化を図る。
宮平乳業営業の宮城哲也さんによると、牛乳は夏場には不足しがちな一方、冬場は余剰で値崩れする傾向がある。生産資材価格も上がり、適正価格を保つ必要がある中で、ジェラートに加工することで保存期間を長くし、価値を高める取り組みにつながっている。ジェラートは今年、県内大手スーパーでのお中元でも取り扱われた。
材料のうち生乳を70~80%使い、濃厚な味わいが特徴。宮城さんは「宮平牛乳は低温殺菌のため、特に甘さが全然違う」とPRした。普段は糸満市物産センター遊食来(ゆくら)とJAおきなわ食菜館「とよさき菜々色畑」のみで販売している。会場での価格はカップ入りが300円、盛り付けが400円(2種のハーフ&ハーフは450円)。