県内で喫緊の課題となっている教員不足に対応するため、琉球大学教育学部は2025年度の入学試験(26年4月入学)から、「地域教員希望枠」として県内の小学校教諭を目指す高校生対象の試験制度を導入する。文部科学省の補助事業を活用し、県教育委員会と連携して大学入学前から教員採用までを一貫して支援する。教員採用試験で優遇措置を受けられる「特別推薦」枠の設定も目指しており、県教委と調整している。
募集人員は10人。自己推薦の形式を取り、大学入学共通テストは課さず、書類と面接で合否を決定する予定。小学校教育コースで教科専修ごとに2人の定員を設けて実施していた「学校推薦型選抜」は廃止する。学部の入学定員140人は維持する。
県内各地域に「教職メンター」を配置するほか中高生対象の「教職ジュニアセミナー」を実施し、教員の魅力を発信する。合格後は、入学前の段階から教職関連の授業を先行履修してもらう。
入学後も沖縄の教育に特化した授業や、離島やへき地での教職体験、県内公立学校での実習、学校現場インターンシップを受講してもらい、小学校教員として働くための素養を身に付けてもらう。
琉大教育学部の中本謙教授は「県内小学校で教育に携わりたい生徒を後押ししたい。離島出身で、地元で教師をしたい生徒など、多くの高校生に受験してもらいたい」と呼びかけた。
(外間愛也)