手話・エイサー・バスガイドに挑戦し、可能性を探る「沖縄お笑い界の怪物ルーキー」<島袋忍さん>◇沖縄芸人ナビFILE.47(3ページ目)


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種まきしながら全国区に

松田ナビ:「お笑いをやろう」と思ったきっかけを教えてください。

島袋:カメラマンになりたかったんです。それで養成所(NSC沖縄校)のスタッフコースに入ったんですが、芸人コースのネタ見せの授業で1人あまっているからコンビを組んでほしいと先生に言われ、やってみたのが始まりです。

松田ナビ:カメラマンになりたかった理由はあるの?

島袋:モザイクの裏側を見たかったというか・・・分かりますか(笑)?

松田ナビ:現場の裏側が見たかったってこと?

島袋:そうです!バラエティーなど、現場はどうなっているのか見たかったですね。

松田ナビ:先生にコンビネタをやってとお願いされて、それからも続けたということは、お笑いが性に合っていたということ!?

島袋:「ボディせっけんず」というコンビ名を付け、ネタを見せたらめっちゃウケたんです。ちゃんとウケた訳ではなかったですが東京の講師に「お前らそのままでいい。変わるなよ」と言われ、調子に乗ったんでしょうね。

松田ナビ:あ~好奇の目だ。当時の忍の感じを思い返したら分かる。コンビはどうして解消したの?

島袋:相方の「まきしまきお」が東京に行きたいと言って、彼は今マセキ芸能社で頑張っています。初めてピンでネタをやったのが卒業ライブで、めちゃくちゃ緊張しました。

松田ナビ:1人でコンビと戦うのは大変! ありんくりんほか強い人たちがいっぱいいたな。

島袋:オーシャン、魁バーバリアン、みんな同期です。それもあって、マネキンを買ったんでしょうね。ヤフオクで5000円、あーずーと名付け今も家にいます。

松田ナビ:まわりが強いコンビばかり。1人だと難儀になる瞬間はなかった?

島袋:ダメなのかもしれませんが、ならなかったんですよ。「大丈夫」と言っていました。NSC沖縄校を3期生として卒業して、ありんくりんはじめ目立つメンバーが「サゴテン団」というユニットでライブを開催して、サゴテンメンバーとそれ以外に分かれた感じでした。

松田ナビ:なるほど。これだけお笑いをやっていたら後は個々の勝負だろうと思うけど、当時はその世界がすべて。

島袋:でも思い出したらイライラしてきました(笑)。

3歳のころの忍さん

松田ナビ:分かります。勢いがある方がウケるんだよな。若い人には静かなコントは不利に映るだろうしね。

島袋:又吉広人さんはピンで静かなコントをやっていて、すごいと思いますね。僕は間が怖いんです。し~んと静まったシチュエーションは苦手なので、ずっとしゃべっています。ネタには濃いキャラを付けますしね。

松田ナビ:性格的には照れ屋かな。素の自分を見せるのが恥ずかしい。学生時代はお笑いをやったりしていた?

島袋:小学校のころはクラスみんなで劇をやったりして、リーダーの補佐をする役回りでした。

小学生時代、野球チーム
「武蔵」に所属していました

松田ナビ:現状に近いんじゃない? 団体の中にいるのがしっくりくるのかも。でもいろいろな団体や場所で重宝されて素晴らしいと思います。例えば劇団アラマンダでは、どんな立ち位置ですか?

島袋:座長の大屋あゆみさんの次に手話ができないといけない、という気持ちでやっています。キャラが濃い役をいただくことが多いのでしっかり演じて、最後のトークでは手話があまりできない人のフォローをするくらいまでになりたいですね。

松田ナビ:団体によって立ち位置が違ったりする!? エイサーの時はどんな顔(笑)?

島袋:エイサーは青年会長だったマエショーさんが引っ張ったり、オリオンリーグの剛さんがリーダーみたいな感じだったりしますね。自分はポンコツだと思っていますよ。

松田ナビ:そうだ、ポンコツっぽいキャラなのかと思う時期もあったけれど、今はそうでもない。痩せて変わった?

島袋:5~6年くらい前に座間味島でライフセイバーを2カ月くらいやったんです。そこから約10キロ、体重が落ちました。

松田ナビ:前はもうちょっとぽっちゃりしていて、中性的なキャラや天然っぽいキャラに乗っかっていた。痩せて印象が変わったかもしれないな。浦商出身で野球が得意で映画「沖縄を変えた男」(2016年)は、おいしい役で出ていたね。

島袋:めっちゃおいしかったです。オーディションで監督とプロデューサーに「新しいキャラクターを作っていい?」と言われ、台本になかった役を演じました。暴力シーンが多い作品だったので、中性的な役を入れたかったそうです。

松田ナビ:なかったはずの役を作らせる存在だったんだ、反響もあったよね!?

島袋:ありましたけど、映画館のスクリーンで自分を見るのはめちゃくちゃ恥ずかしかったです。「太田くん、バナナ食べる~?」とか演技をしていて(笑)。

松田ナビ:いろいろ経験してきましたね。「忍は元気かな」と半年に1回くらい思っても、最近会う機会があまりなかったから、普段思い出すことがなかったよ(笑)。深い話ができるのは楽しい。たくさんのことに興味を持ち、いい意味で流動的なのが忍の強みだと思うけれど、展望はありますか?

島袋:全国区になりたいです。芸人として全国区になるのが1番ですが、いろいろな可能性を探っていきたいと思っています。

松田ナビ:そのためにもいろんなところに種をまいているのでしょうね。頑張ってください!

対談を終えて・・・

☆島袋忍☆

意外に楽しかったです。意外と言ったら失礼ですが、昔話もできて良かったしとても楽しい時間になりました。松田さんと話すのは本当に久しぶりでした(笑)。

☆松田ナビ☆

いろいろな可能性を探りながら戦っている姿勢が、とてもうらやましいです。いい意味で肩肘を張らないナチュラルなスタイルだからこそ、なせる技だと思いました。

プロフィール

★島袋 忍(しまぶくろ・しのぶ)

生年月日:1995年5月8日
出身地:沖縄市
趣味:野球観戦、釣り、ゴルフ、プロレス観戦、スキューバダイビング
特技:マネキンを自由自在に操ることができる(ネタで)、野球、ライフガード
X:@shinobu0508oki
Instagram:@shinobu.shimabukuro

★松田 正(まつだ・しょう)/初恋クロマニヨン

生年月日:1984年8月22日
出身地:読谷村 
趣味:ソフトボール/漫画
特技:野球
X(旧Twitter):@hatsukoimatsuda

インフォメーション

◆劇団アラマンダ公演「民宿アラマンダ~弟の夢と家族の想い~」

日時:2024年7月27日(土) 18:30開場/19:00開演
会場:沖縄県男女共同参画センターてぃるるホール(那覇市西3丁目11-1)

チケット:前売券 大人2000円/中学生以下1000円(当日券はそれぞれプラス500円)

出演者:大屋あゆみ、島袋忍、マエショー(ピーチキャッスル)、又吉広人、寺崎ガザオ、ゆか(ハイビスカスパーティー)リョウジ(ハナフラワー)
ゲスト:田仲メリアン

※チケットのお求め、詳細は「よしもとエンタテインメント沖縄」または「FANYチケット 劇団アラマンダ」まで
「FANYチケット 劇団アラマンダ」:https://ty.funity.jp/ticket/show/page?clientid=yoshimoto&show=510658&sno=2&skb=1&showno=9

電話:よしもとエンタテインメント沖縄 TEL 098-861-5141

◆初恋クロマニヨンとゲストがネタをたくさんやるライブ「初恋と♡」

日時:2024年7月31日(水)開場19時/開演19時30分

料金:2000円(ドリンク代別)

会場:ライブハウスOutput(那覇市牧志2-3-22 高良産業ビル2階/電話098-943-7031)

出演:初恋クロマニヨン、リップサービス、カシスオレンジ

問い合わせ:よしもとエンタテインメント沖縄 TEL 098-861-5141

◆初恋クロマニヨン 出演中!
QAB「ウチラン UCHINA-RANKING」

ありそうでなかった「沖縄ネタ」を、独自目線で紹介するランキング番組。MCは初恋クロマニヨン。

放送:毎週日曜 午後4時放送(再放送:毎週日曜 深夜0時25分)

公式サイト:https://www.qab.co.jp/uchina-ranking/
公式X(旧Twitter):@UCHIRAN_TV
見逃し配信==> https://www.youtube.com/@UCHIRAN/featured

饒波貴子(のは・たかこ)

那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。