選抜高校野球大会第3日は22日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、初出場の具志川商と福岡大大濠、明豊(大分)が2回戦に進んだ。具志川商は八戸西(青森)との21世紀枠で甲子園初出場校同士の一戦に、11安打を放ち8―3で快勝。下位打線の連打に機動力を加えて序盤から狙い通りの試合運びを見せた。好捕も飛び出し、攻守で圧倒した。福岡大大濠は大崎(長崎)に2―1で競り勝った。明豊は東播磨(兵庫)と延長十一回に及ぶ熱戦の末10―9で勝った。具志川商の2回戦は大会第7日の26日第2試合(午前11時40分開始予定)から、昨秋の九州大会準々決勝で敗れた福岡大大濠と対戦する。
選球眼、バッティングセンスともにチーム一を誇る上原守凜(しゅり)が見せた。秋のリードオフマンは今大会で8番に下がったが「1番は出塁を意識したが、下位はチームに勢いをもたらすバッティング」と役割を徹底。持ち前の選球眼を生かし、チャンスで甘い球に狙いを定める。
先制点が欲しい二回1死、二、三塁。フルカウントからの高めの球を右中間に運ぶ2点先制打。一塁塁上でベンチに向かって両手で大きくガッツポーズを掲げた。
守っては直後の三回表無死、左翼への安打性の打球に素早く反応し、頭から突っ込むスライディングキャッチの美技。グラブを左手で高々と掲げ、拍手をさらった。「攻めた守備ならオッケーな場面。なんとしてでも捕ってやろうという気持ちがプレーにつながった」と淡々と振り返った。
出発前に元球児の父からもらった「甲子園の雰囲気にのまれず楽しめ」との助言をプレーで体現した。応援に駆け付けた父が見守る中、攻守で役割を果たし「父さんの助言があったから最後まで自分のプレーができた」。感謝の思いをプレーに乗せ、次戦も強い輝きを放つと誓う。(上江洲真梨子)
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