新型コロナウイルスの収束が見通せず、政府は8日、沖縄県に発令する緊急事態宣言の延長を決めた。那覇空港では同日、まばらではあるが、旅行かばんを持った家族連れなどの姿が見られた。感染拡大防止のためには事前のPCR検査などが求められるが、徹底されていない状況にある。
友人を訪ねて東京都から那覇空港に到着した映像製作業の男性(36)は「仕事の関係で普段からPCR検査をやっている」として、事前のPCR検査は受けなかった。「沖縄は何度も宣言があり、落ち着く気配がないので渡航を決めた。現地の人に迷惑を掛けないようにしたい」と語る。東京都から里帰りで訪れた飲食業の女性(42)は「出発するまでは周りの目が気になって仕方なかった。出発前は外出を自粛していたので、検査は東京に戻ってから受ける」と話した。
県内離島への出張から戻った製造業の40代男性=県内在住=は、那覇空港内のPCR検査を受けた。「会社から受検するように言われた。結果が気になる」と話した。到着ロビーで休憩していた航空会社職員の女性(25)は「コロナ禍にしては乗客が多く、若者や家族連れが大半を占めている印象だ」と振り返った。
県は8日、夏に来県を予定している観光客などに対し、感染拡大地域からの不要不急の渡航自粛、必要があって来県する場合は渡航前のPCR検査で陰性判定を受けることを呼び掛けた。ワクチン接種を完了した人については、離島を含めて往来でき、事前のPCR検査も不要とした。
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