普天間ヘリ墜落17年、沖国大「現状むしろ悪化」 集会中止し動画で声明


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沖国大に墜落した米軍ヘリ=2004年8月13日

 宜野湾市の沖縄国際大に米軍普天間飛行場を離陸したCH53D大型輸送ヘリコプターが墜落した事故から、13日で17年となった。例年は墜落現場のモニュメント前で集会が開かれるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で集会は中止。大学は「風化させるわけにはいかない」と、同日午後2時から動画配信による声明発表を実施した。

2004年8月13日に、米軍ヘリが墜落、炎上して焼け焦げたアカギの木。例年はこの前で集会が開かれるが、今年は新型コロナの影響で中止された=13日午後1時半頃、宜野湾市の沖縄国際大学

 大学の墜落モニュメント前には、集会が中止されたにもかかわらず数人の学生らが訪れ、モニュメントの写真を撮る様子が見られた。同大4年の学生(21)は「2年後には、事故当時まだ生まれていなかった学生も入学する。ちゃんと継承しないと、基地があることを当たり前だと思う気持ちが強くなりそうで、すこし怖い」と話した。

 動画配信の中で前津榮健学長は、普天間飛行場所属の米軍機が渡名喜島沖に鉄製コンテナを落下させた事故や、深夜の離着陸の増加による騒音被害、有害性が指摘されるPFOS(ピーフォス)など有機フッ素化合物を含んだ汚染水の流出事故などに触れ、「現状はなんら変わらず、むしろ悪化していると言っても過言ではない。事故から17年目の今日、危険この上ない普天間基地を即時閉鎖し、撤去することをここに改めて日米両政府に強く要求する」と訴えた。


 

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