沖縄県医師会(安里哲好会長)は19日、県内の病院で入院している新型コロナウイルスの重症と、酸素投与が必要な「中等症II」の年代別患者数を発表した。17日時点で重症は23人、中等症IIは331人で、ともに県医師会の集計で過去最多だった。60代以下の重症化が病床逼迫(ひっぱく)に影響しており、人工心肺装置ECMO(エクモ)で治療を行う重症の20代が1人、中等症IIの患者にも10歳未満が1人含まれ、若者でも重症化するケースが出ている。
県医師会が県内25重点医療機関に聞き取りし、集計した。65歳以上へのワクチン接種が進んだことで重症化しやすい高齢者の割合が低下し、対照的に中年層や若年層が増加傾向にあるという。県医師会の宮里達也副会長は「2カ月前とは患者の様相ががらっと変わり、40~60代を中心に重症、中等症が増えている」と指摘した。
新型コロナの症状は、容体や酸素飽和度などから「重症」「中等症I・II」「軽症」に分類される。重症患者のうち、肺機能がより悪化した場合にはエクモが用いられる。中等症は息切れや肺炎所見がある「中等症I」と、自力で酸素が取り込めず酸素投与が必要になる「中等症II」に分かれる。
県内の重症の入院患者は20代1人、30代1人、40代3人、50代6人、60代9人、70代以上3人の計23人で、60代以下が87%を占めた。中等症IIは10歳未満1人、20代14人、30代45人、40代61人、50代77人、60代73人、70代以上60人の計331人で、60代以下は82%だった。
若者でも重症化する背景には感染力の強いデルタ株の影響があるとみられ、20代にエクモを用いるケースはこれまでなかったという。宮里副会長は「中等症と聞くと大したことないと思われる人もいるかもしれないが、酸素なしでは生活できない極めて深刻な状態だ。重大なことと考えてほしい」と強調し、ワクチン接種を進める必要性を訴えた。
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