青パト、サボり常態化か 一部の県警OB 空き地で長時間休憩 早めに巡回切り上げ


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巡回を早めに切り上げて事務所に戻り、車両後部から所持品を取り出す非常勤職員。この後、自家用車で事務所を離れた=6月23日午後9時39分、名護市の北部ダム事務所

 【北部】2016年の米軍属による女性暴行殺害事件を受けて、政府が米軍関係者による事件の再発防止策として始めた「沖縄・地域安全パトロール隊」(通称・青パト)事業で、本島北部の隊員の一部が巡回を大幅に早く切り上げたり、長時間休憩したりするなど、怠慢な勤務態度が常態化している疑いがあることが分かった。怠慢勤務が疑われるのは非常勤職員の県警OB複数人。本紙が内部告発を受け、5月下旬~8月上旬に計8回、拠点の事務所や休憩場所や巡回車における勤務状況を実際に確認した。

 北部では、沖縄総合事務局が雇用する派遣社員約30人が車5台、沖縄防衛局が雇用する非常勤職員6人が車1台を使って、名護市以北を巡回している。巡回の際、2人1組となる。

 沖縄防衛局雇用の非常勤職員の勤務時間は午後6時半~同10時半。問題の隊員らはほぼ毎回、巡回終了のめどとされる10時20分より35~50分ほど早い9時半~45分ごろに、拠点となる名護市大北の北部ダム事務所へ戻り、うち1人は自家用車で事務所を離れる行為を繰り返していた。巡回中は名護市内の空き地で30分前後の休憩を取っている。4時間の勤務時間中、少なくとも1時間近く、実質的に働いていないとみられる。

 この隊員らは本紙取材に「早く帰宅しているわけではない。コンビニなどに行くこともあるが、いつでも(事務所に)戻れるよう待機している」「日誌(実施結果報告書)の記入も兼ねて10分程度トイレ休憩を取っている。日誌は月1回、防衛局に提出している」などと答え、怠慢に当たらないとしている。

 一方、派遣社員のある隊員は「自分たちが規定を守ってまじめに働く横で、県警OBは適当に仕事をしている。緊張感が欠けている」と訴えた。別の隊員も「多額の税金を使った事業なのに、現場に監督者がおらず、やりたい放題がまかり通っている。このままでは県民の信頼を損ねる」と問題視した。

 防衛局によると、マニュアルで「トイレ休憩を適宜取ることは構わない」となっている。同局は管理体制について「巡回の都度、実施結果報告書を提出させ、走行距離や経路、巡回中に発生した事案を確認している」と説明した。総合事務局が管理する派遣社員については、休憩は「1時間に1回、5分程度」と規定されている。

 防衛局は本紙取材に「関係者に事実関係を確認する」としている。

(岩切美穂、長嶺晃太朗)

 

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