5月10日~8月29日までの救急搬送で、待機時間30分以上が739件、照会4回以上が93件あったことに関して、沖縄県内の医療関係者も「異常な数値だ。医療の限界に達している」と危機感をあらわにした。
新型コロナウイルスの県対策本部で入院調整などに関わる医療コーディネーターの佐々木秀章医師によると、コロナ禍前は30分以上の待機時間もほとんどない状況で、待機時間が長引いた現状については「県内の救急搬送は全国でもトップレベルに良かった。沖縄らしくない数字だ。県民には、救急車の適正利用をお願いしたい」と強調し、併せて感染防止も呼び掛けた。
医療コーディネーターの米盛輝武医師は「病床などの医療体制が行き詰まっているため、照会の回数が増え、現場待機の時間も長くなっているのではないか」と推測した。各病院で救急の受け入れや医療サービスの制限、手術の延期がされていることに触れ「すでに医療は崩壊している」と指摘した。
待機時間30分以上の事案について、沖縄市消防本部は76件と3番目に多かった。県立中部病院の豊里尚己医師は「沖縄市内では搬送先が複数あるが、コロナ患者との濃厚接触者であれば、病院側も受け入れを慎重に判断しないといけない。病院の病床に余裕がなければ照会や現場待機の時間も増える」と説明した。
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