新型コロナウイルスの緊急事態宣言が沖縄県に発令されて、23日で4カ月になった。1日当たりの感染者数はようやく減少傾向をたどり、かつてなく流行が拡大した第5波は落ち着きつつある。一方、人出が活発化すると、再び増加に転じるこれまでの経験から、宣言解除に向けて気が抜けない日が続く。
教育現場では子どもたちの「命の安全」と「学びの保障」を両立するために、分散登校や時差登校、部活動の原則禁止など対策を講じたが、感染拡大は止まらずに夏休みの延長や臨時休校など混乱した。新学期開始後も、感染への不安から登校を控える子どもたちは多くいる。
22日、那覇市内の小学校に通う3年生の女児(9)は、うつむきながら帰路についた。友だちとおしゃべりしていたところ、距離が近いと先生に指導され、怒られたと受け止めた。女児は「友だちと遊べない学校はつまらない」と下を向いたまま話した。別の小学校の教員(34)は「子ども同士の接触を減らそうと注意ばかりしてしまう。学校からにぎやかな雰囲気が消えた」と眉間にしわを寄せた。
オンライン授業の整備では、ネット環境などが原因で自治体や学校間で取り組み状況に差が出ている。南風原中は22日、タブレット端末を使って道徳の授業を実施した。當間保校長は「コロナにつまずかない教育活動を進める必要がある」と話した。
部活動も制限されている。中高生の子がいる沖縄市の会社員男性(46)は「子どもたちはすでにワクチン接種を済ませた。部活動や大会は早期に再開してほしい」と訴えた。
名護市の40代男性は「子どもたちが我慢を強いられている。反面、草野球などに興じる大人がいるなど、行政の自粛要請に不公平を感じる」と話した。
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