4カ月以上に及ぶ沖縄県内の新型コロナウイルス緊急事態宣言が30日で全面的に解除される。10月1日からは飲食店の営業時間短縮や酒類提供の時間制限などが行われる「県独自措置」に切り替わる。一変した日常はどのように戻るのか。「対策は不変」「収入が安定しない」。歓迎と不安が交錯する。
催しが開けずにいる金武町観光協会の喜久山哲郎事務局長(60)は解除を歓迎する。「12月には密を避けつつ屋外でイベントを開く方向で考えたい」と前を向く。同時に「次の感染の波が怖い。出掛けたり、外で飲酒したりすることは引き続き控えたい」と慎重に語った。
パレットくもじ前でバスを待っていたサービス業の女性(65)=浦添市=は「感染防止対策など、これまでの行動は変わらないと思う。ただ安全が確保されていれば、以前のように友人とランチなどに出掛けたい」と状況が改善することを期待した。
浦添市サンパークてだこ通り会の仲村勉会長(79)=浦添市=は昨年に続き、今年も秋祭りの中止を決断した。「まだまだ油断できない。新規感染者ゼロが数日続くまで、全面解除をしないほうがいい」と緩みによるリバウンドを気にしていた。
石垣市で居酒屋を営む30代男性は県の要請に従わず、7月から店の営業を再開していた。ただこの間の来客は観光客などが中心だった。男性は「地元の常連客が戻ってくると期待している」と話した。
警備員の男性(72)=沖縄市=は職場で陽性確認が相次ぎ、自宅待機などの影響で9月は10日間だけの出勤だった。「非正規のため収入が安定しない。緊急事態宣言が解除されても不安だ」と国や県に経済的な支援を求めた。
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