【速報】水道水PFAS、金武町が地下水の取水停止へ 町長が公表遅れ謝罪


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沖縄防衛局への要請後、記者団の取材に応じる仲間一金武町長=6日、嘉手納町の同局前

 沖縄県金武町の水道水などから発がん性が指摘される有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)が国の暫定指針値(PFOS・PFOAの合計が1リットル当たり50ナノグラム)を超える値で検出された問題で、町が最短で2年後に予定する設備改修を待たずに全ての地下水源からの取水を停止し、県企業局水に切り替える方向で調整に入ったことが6日、分かった。同日から町が県との調整に入った。

 同日、仲間一町長が沖縄防衛局に米軍キャンプ・ハンセンへの立ち入り調査などを要請後、記者団の取材に応じ、全ての水源を取水停止した場合に不足する水量について「県企業局からの確保にめどが立った」と説明した。

 5日に町と県企業局が協議。地下水源からの取水を全て停止した場合に不足する約2300トンの供給について、県企業局からの送水量を現在の1日平均約4500トンから、最大可能な約6500トンまでの間で増量することに「協力する」との返答を得た。

 今後、金武・並里区で取水を続けている地下水源6カ所を順次停止する。数年後に施設整備が完了するまでの間、水の需要や既存の設備の対応力も見極めながら、なるべく県企業局水でまかなうよう調整する。

 町が昨年6月の調査で水道水の指針値超えを把握しながら、今月1日まで公表しなかったことについて、仲間町長は「町民に不安を与えたことについては申し訳ない」と謝罪した。


 

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