漁港の軽石回収、月内にも着手 沖縄知事、緊急会議で迅速対応指示


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県庁各部に対応を指示する玉城デニー知事=27日、那覇市の県庁

 小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる大量の軽石が県内各地に漂着・漂流している問題で、沖縄県は27日午前、第1回軽石問題緊急対策会議を開催した。県は軽石が漂着した一部漁港について国の漁港施設災害復旧事業を活用し、早ければ月内にも軽石の回収を開始するとみられる。玉城デニー知事は関係部局に迅速な対応を指示した。

 県は26日に軽石問題に対応するため環境部と土木建築部、農林水産部でつくる緊急対策チームを発足させた。27日の対策会議には観光産業への対応などを踏まえて文化観光スポーツ部と知事公室、総務部も追加で招集した。

 玉城知事は環境部と土木建築部、農林水産部には軽石の除去、文化観光スポーツ部には観光業への支援策の検討、知事公室は災害対策として関係機関と情報収集、総務部には必要な予算措置をそれぞれ指示した。「各部においてスピード感を持って、現下の対策に取り組んでほしい」と述べた。

 県は漁港や港湾について、国の補助事業を活用して対応する方針を示した。補助対象とならない海岸に漂着した軽石については、観光や海浜利用に支障を来す場所など、市町村からの要望を踏まえて単費での対応も視野に入れている。回収された軽石の処分についても、関係機関で検討を続ける。


 

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