首里城描いた柳生さん 火災の大聖堂の絵をフランスに贈呈へ 「パリの人々の笑顔に」


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パリのノートルダム大聖堂を描いた作品「光り輝く 大聖堂」を紹介する柳生千裕さん(柳生さん提供)

 2021年版の沖縄手帳にも掲載され、首里城の再建を願った作品「いつか その日まで」を描いた柳生(やぎゅう)千裕さん(12)=兵庫県西宮市=の絵画展示会(沖縄手帳社主催)が29日から、那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれている。19年4月に火災にあったフランスのノートルダム大聖堂を描いた作品「光り輝く 大聖堂」を含む10点を展示する。11月6日には柳生さんが在那覇フランス名誉領事のジスラン・ムートン氏に同作を贈呈し、パリ消防局に届ける予定だ。

 19年10月の首里城焼失に対し、同年4月にノートルダム大聖堂の火災を経験したパリ消防局が、那覇市消防局に首里城復興を願う手紙を送った。この話を聞いた柳生さんは「自分の絵でパリの人々に笑顔になってほしい」と、「光り輝く 大聖堂」を製作。作品をパリに届けたいという願いを実現させるため、沖縄手帳社の真栄城徳七社長がムートン氏や那覇市などに協力を呼び掛け、贈呈式を開くことになった。柳生さんは「パリの人たちが絵を見て楽しんでくれたらうれしい。これからもたくさん絵を描きたい」と喜びを語った。

 展示会は29日~11月10日、ジュンク堂書店那覇店2階で。贈呈式は11月6日午後6時から。また、「いつか その日まで」が印刷された「首里城復興支援チャリティーポストカード」を販売して得た収益金を、沖縄美ら島財団の首里城基金に寄付する。


 

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