首里城の焼失から2年の節目に、従来の首里城祭から名前を変えて開幕した首里城復興祭。一部のイベントが中止になるなど、昨年に続き新型コロナの影響が残る中、訪れた市民や観光客は、華やかな行事を楽しみつつ、王城の威容に思いをはせながら、早期復元を願った。
東京都から夫婦で訪れた宇佐美賢一さん(60)は、焼失前にも訪れたことがあり「当時と景色が全然違う。寂しい思いがした」と振り返った。会場で復元に向けた寄付も行い、再建に期待を込めた。
糸満市から訪れた深村シェリーナさん(27)は、荘厳な正殿が建っていた場所を見て「泣きそうになった」と語りつつ「現場の人たちが頑張っているのを見て、復元が早く進んでほしいと感じた」と述べ、関係者にエールを送った。
NTTドコモ九州支社は第5世代(5G)通信と拡張現実(AR)技術を組み合わせ、タブレット端末で学芸員の説明を聞きながら首里城正殿の映像や宝物について遠隔で学べるシステムの体験会を開いた。
説明した学芸員の上江洲安亨さんは「修学旅行の事前学習などで使える。首里城に行きたい、と思う意識付けになるのではないか」と感触を語った。
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