在りし日へ思いはせ 観光客からも再建へのエール 首里城復興祭


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
国王・王妃の乗り物「御轎(うちゅう)」に乗り、記念撮影する人たち=30日午後、那覇市の首里城公園(喜瀨守昭撮影)

 首里城の焼失から2年の節目に、従来の首里城祭から名前を変えて開幕した首里城復興祭。一部のイベントが中止になるなど、昨年に続き新型コロナの影響が残る中、訪れた市民や観光客は、華やかな行事を楽しみつつ、王城の威容に思いをはせながら、早期復元を願った。

 東京都から夫婦で訪れた宇佐美賢一さん(60)は、焼失前にも訪れたことがあり「当時と景色が全然違う。寂しい思いがした」と振り返った。会場で復元に向けた寄付も行い、再建に期待を込めた。

 糸満市から訪れた深村シェリーナさん(27)は、荘厳な正殿が建っていた場所を見て「泣きそうになった」と語りつつ「現場の人たちが頑張っているのを見て、復元が早く進んでほしいと感じた」と述べ、関係者にエールを送った。

 NTTドコモ九州支社は第5世代(5G)通信と拡張現実(AR)技術を組み合わせ、タブレット端末で学芸員の説明を聞きながら首里城正殿の映像や宝物について遠隔で学べるシステムの体験会を開いた。

オンラインで首里城にまつわる宝物の解説を受けることができる端末

 説明した学芸員の上江洲安亨さんは「修学旅行の事前学習などで使える。首里城に行きたい、と思う意識付けになるのではないか」と感触を語った。


 

▼【動くグラフィックと写真】あの夜何が起きたのか…首里城火災を振り返る

▼火災2年、首里城祭始まる

▼新しい首里城が目指す「見せる復興」とは?再建スケジュールは

▼首里城の謎「正殿の畳」今回も敷き方分からず、再現見送りへ

▼十月忌 見えなくても「そこにある」…大城立裕さんの首里城と普天間

▼国仲涼子さん「立ち上がる沖縄、首里城でも」

▼【首里城 私たちのリアル】復興の形は? 20代、30代、40代が語り合った