クルマエビ140万匹死滅、沖縄県と宮古島漁協が協議 養殖再開、問題点を検証し判断


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協議を終えて取材に応える宮古島漁協の栗山弘嗣組合長(中央)と県職員=2日午後、宮古島市平良

 【宮古島】宮古島漁業協同組合が養殖するクルマエビ140万匹が急性ウイルス血症(PAV)で死滅した件で、県水産海洋技術センターの職員が2日、現地に入り漁協と対策を協議した。来年度の養殖再開について、今後も問題点の検証と協議を重ねながら判断する方針を示した。

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 宮古島漁協の養殖池では2016年に初めてPAV感染を確認して、21年まで毎年、感染したエビが出ている。これまでも県、漁協は原因究明や対策を続けているが、感染経路は分かっていない。県によるとPAVは人に影響せず感染したエビは流通していない。

 協議後、会見した栗山弘嗣組合長は「例年だと11月末まで発生が抑えられて出荷できる状態だったが、今年は10月に発生し、1カ月で全滅した」と説明した。会見に同席した県水産海洋技術センター海洋資源・養殖班の岸本和雄班長は「何年も連続して感染が出るということは、養殖場の近くにPAVを持った何か(甲殻類)がいると考えているが特定できていない。感染経路はまだ分からない」とした。

 根絶については「天然の生き物を根絶するということは難しい」とした上で「クルマエビ養殖は薬を使わない。飼育環境をよりいい状態にして、エビが元気な状態で出荷まで持っていくということに尽きる」と説明した。養殖池を一定期間(1~2年)休ませるのも「池を元にもどすという意味では効果がある」との認識を示した。

 (佐野真慈)

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