沖縄県は5日、10歳未満から90代の623人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。20代の感染者が332人で全体の53・3%を占めた。新規感染者が600人を超えるのは昨年8月28日以来。療養者数は約3カ月ぶりに千人を超え、1286人となった。病床使用率は23・5%で、県の警戒レベル2(感染流行期)に入った。医療逼迫(ひっぱく)の懸念が増している。感染急拡大を受け、県立学校は7日から分散登校となり、部活動も原則休止する。市町村の成人式も中止の動きが出ている。
新規感染者の過半数が20代となっていることについて、県は「飲食関連の感染者はほとんど若い世代だ」と、年末年始に開かれた宴会の影響が大きいとみている。年末年始に受診できなかった分、病院の外来再開後に増えた可能性もある。
新変異株「オミクロン株」が確定した感染者は5日時点で135人。同株の疑いがあり、ゲノム解析待ちの感染者は4日時点の83人から倍増し、168人となった。同株に関連する濃厚接触者は599人。県は県内の感染が同株に置き換わったとみている。
療養者のうち入院患者は152人。入院・療養調整中は571人で、入院患者は今後も増える見込みだ。宿泊施設療養中は358人、自宅療養中は204人。県は地域別の医療フェーズ引き上げを検討するとともに、疫学調査を行う各保健所や自宅療養に対応するコールセンターの増員を図っている。
市町村別で感染者が最も多いのは那覇市の114人で、4日の38人から1日で3倍になった。次いで名護市57人、うるま市52人、浦添市49人の順で多い。感染が県内全域で拡大している。
米軍関係の新規感染者は6人だった。4日の新規感染者が当初の発表より1人少ない163人だったことも報告した。基地内で感染が広がり始めた昨年12月15日以降の累計感染者数は1001人となった。
県は、基地従業員やコロナ感染者が特定の施設を利用できなくなるなどの情報が寄せられているとして「差別や偏見がないようにしてほしい」と呼び掛けた。(稲福政俊)
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